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ユングのタイプ論



ユングのタイプ論によるディスカッション 2ページ目

みよし様
36歳 女性 既婚

私は、このテストは、そのことを全く考慮していないということに少し不満に感じています。
もし、本当にできるだけ科学的な自己洞察を試みるのなら、このテストで使っている言葉をはっきりと定義して、この雑誌の読者の、“言葉の意味の違い”を統一すべきなのでは?と思ってしまいます。
(ですが、このテストが記載されている雑誌は、それほど硬い雑誌ではなく手軽なものですので、そこまでする必要もないかという気もしますが…)
また、もし、ユング心理学に精通している多くの先生たちが、このテストに書かれている項目を目にすることがあれば、一つ一つの項目に、それぞれの異なった意見がたくさん出てくるものなのではないかという気もいたします。

以上、頂いた質問は回答させていただいたつもりですが、いかがでしょうか?
また、タイプ論の自己洞察にあたり、みよし様が今までに読んできた本などがございましたら、もし宜しければ、教えていただけますと、メールのやり取りがしやすくすなるかと思います。

ちなみに、わたしのお勧めの本は、「創元社 ユングのタイプ論」と、「講談社現代新書 ユングの性格分析」です。

今回(一往復目)は秋山さと子のテストの形をとらせていただきましたが、次からは、私の考えるタイプ論(自己洞察)の方法で進めていきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。

みよし様

ところで、数年前に16,7歳であられたということは、随分お若くていらっしゃるのですね。
失礼ながら、その若さでこれだけの深い理解と洞察力を身につけておられるということに、驚きまた感服いたしました。
これまでのメールのやりとりから、どのくらいのお歳なのだろう、案外お若い方かも、という気はしていたのですが、予想以上でした。
頂いたご回答は、いずれもよく納得いたしました。

「自分の先天的な主機能を調べよう」ということで、次に「私の考えるタイプ論(自己洞察)の方法」をご示唆いただけるということでよろしいでしょうか。大変楽しみにしておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

お勧めいただいた2冊の本は、残念ながらまだ読んだことがないようです。ちょっと探してみます。
別冊宝島の性格の本は、読んだことがあるような気がしてきました。5年以上前のことです。
秋山さと子さんのテストも試みてみて、結果はよく覚えていないのですがいくつか同じくらいの点数のものがあり、よくわからないなと思った記憶があります。
これまでの心理テストの経験ですが、大学生のときに自動車教習所で受けたことがあります。その結果「回答に矛盾があり、質問の意味をよく理解していなかったか、真面目にやっていなかったかどちらか」と書いてあり、友人たちに笑われたことがあります。
勿論、私は真面目に取り組んだつもりでしたが。

以来、自分の性格はどのようなものだろうとよく考えるようになったのですが、考えるほどによくわからなくなってしまいました。(多分、主機能と劣等機能を区別することができなかったからとおもいます。)

鈴木めいや

さて、ユングの分析心理学によるタイプ論ですが、それによる自己洞察に入る前に、少し簡単に、“構え”の説明からはじめたいと思います。
まず、分析心理学では、構えのタイプをふたつに分けており、その一つ、外向的なタイプの人は、外界の出来事に多くの刺激を受け、心のエネルギーはいつも客体に向かい、物質や相手といった心の外側の出来事を基本的な基準として言動や行動をとります。
内向性に構えが向いているタイプの人は、内界のあり方により多くの刺激を受けます。

また、極端に外向性に偏ってしまうと、まるで自分の心は外界に適応するための装置に過ぎず、人や環境によってコロコロと意見が変わりやすく、適応能力はあっても、人間としてどこか軽い印象を与えがちになります。

例えば、アメリカで、「俺がこんなに太っちまったのは俺のウチの前にハンバーガー屋なんて造るからだ!」と言ってその店を訴えたという珍事がありましたが、このように、極端に偏った外向タイプの人は、なにか不都合が起こると、何でもかんでも他人のせいにしやすい傾向を持つというところにも特徴があるように思われます。

どちらかと言うと、内向的態度を重んじるわたし達日本人は、このような珍事はほとんど見られません。

彼にはそもそも、「自分自身はどうなんだろうか?」という内的な心の働きが極端に弱く、世の中のあらゆる出来事は、基本的にみんな外的なものに関連付けてしまいがちになります。

また、極端に内向性に偏っているタイプの人は、それとは反対に、なにか不都合が起こると、
「あのとき自分がこんなことをしたからだ、自分のせいで、自分のせいで〜」
と、なんでもかんでも自分自身のせいにしてウジウジと問題を抱え込みやすくなりがちです。

彼は、基本的に、外的な出来事よりも自分自身の精神のあり方に心にエネルギーが向かっているので、例えば、秋になって落葉樹の葉が枯れ始めると、なんとも切ない冬の足あとを感じ取ったりして、そのような外側の出来事は、基本的にすべて心の状態に色合いを与えるための二次的なものに過ぎないかのようです。
そして、日本やイギリスなどの島国では、基本的に内向的な文化になりやすい傾向があります。

日本でヒットしている映画とイギリスの映画を見比べるとよく分かるように、「ハリーポッター」や「もののけ姫」、「武士の一文」など、あきらかに内的なものに重点が置かれていて、「やはり同じ内向的な島国の映画だなあ」という気がいたします。

ですが、様々な人種を認め合わなければならなかった歴史を持つアメリカでは、外向的な態度がよく育ち、そのような国民の性格の傾向上、ヒットする映画はやはり外向的なものばかりという印象があります。なので内的な人間性という意味では、少し軽薄に思えてしまい、なにか少し物足りない気がしたりするものです。

そのような基本的な2つの構えのほかに、4つの基本的な働き(あるいは機能)を認めることができます。つまり、非合理機能(感覚と直感)と、合理機能(感情と思考)です。
その4つの働きを、「人間と象徴」という本から抜粋すると、

「感覚(つまり、感覚知覚)はわれわれに、何が存在しているのかを告げ、思考は、それが何であるかを告げ、感情は、それが快感を与えるかどうかについて告げ、そして、直感は、それがどこから来てどこへ行くのかを告げる」

とあります。
そしてわたしは、いままでのみよし様とのメールのやり取りを見る限りでは、決して典型的ではありませんが、直感的な傾向の強い方であるといった印象を持っています。
例えば、いつでしたか、わたしが質問を最後にまとめるようにお願いしたとき、「わたしはそのような傾向(質問を文章の様々なところに置く傾向)があるようで」と仰ったことがありましたが、これは、頭の回転が速くひとつの対象に対して様々な表象が浮かぶ直感的な傾向のように感じられます。

また、

これまでの心理テストの経験ですが、大学生のときに自動車教習所で受けたことがあります。その結果「回答に矛盾があり、質問の意味をよく理解していなかったか、真面目にやっていなかったかどちらか」と書いてあり、友人たちに笑われたことがあります。勿論、私は真面目に取り組んだつもりでしたが。

ということも、もし間違っていたら申し訳ありませんが、もしかしたら、そのテストの内容に対して筋の通った思考や感覚よりも、飛躍的な発想である直感によって答えた結果のようにも感じられます。
秋山さと子のテストで感覚タイプという結果が出たのも、ユングの言う直感機能は無意識からの知覚作用でもりますので、そのような直感を内的な知覚・感覚という言葉で認識してしまい、感覚の欄に「はい」とお答えになられたのではないかという気もいたします。

また、音楽を聴くのが趣味とのことですが、もしかしたら、あなたにとって音楽を聞いている時間帯というのは、普段の直感的な状態を、曲の魅力的な感覚の印象によって補償し、心の全体的なバランスを補い保つという役割があるのかも知れません。
ちなみに、典型的な直感タイプの人の中には、「お風呂が大好きで、5、6時間平気で入っていられる」という方がいます。
この場合は、彼女にとっての入浴は、あきらかに極端に偏っている直感的な意識の状態を、皮膚の刺激(肉体的な感覚刺激)によって補償するという役割があります。

普段、ファンタジーなどの非現実的で精神的な直感しか知らない彼女にとって、お湯に使ったり体をゴシゴシと洗ったりという皮膚による刺激は、日常で唯一、現実的な感覚を実感できる場なのでしょう。
ですが、みよし様の場合、決してそのような典型的な直感タイプという印象はありません。おそらく、思考や感情などのコントロールも可能でよく分化しているので、どれが主体になっているのかはっきりしないのではないかと思います。
ですが生まれ持った主機能というのは、いまわたしがここで色々と言っているように、ただ考えていれば分かるというようなものでもありません。結局、ここでの文章は、ただの憶測に過ぎず、それがどれだけ的を得ているのかという判断は難しいように思います。
わたしは、主機能をはっきりさせるためには、“実際に行動してみる”しかないと思っています。
例えば、タイプによるテストや今までの精神遍歴を振り返ってみたりして主機能を考えるということは、言ってしまえば、レントゲンや諸症状などをみて内臓の状態を憶測しているようなものではないかと思います。
それは、ある程度のところまでは断言することは出来るかもしれませんが、ある程度のところを過ぎると、実際に、その皮膚を切って、直接、中を開けて見てみるまでははっきりとは分からないのです。
わたしの考える主機能の調べ方とは〜

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