夢と心理学

  
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■ フロイトによる夢判断

初めて夢を科学的に解明しようとしたフロイトは、人の心には意識することの出来ない無意識という領域があると仮定して、夢を氷山にたとえました。
氷山は、水面に顔を出している部分より沈んでいる部分のほうが圧倒的に広くなっていて、精神全体からみると、意識の領域は氷山の一角にすぎません。
そして、普段わたし達は生活をしているなかで、自我にとって都合の悪いもの(主にコンプレックスや性的な外傷、欲望)は無意識に抑圧しています。その諸内容は、わたし達が眠りにつき自我の規制が弱まったときに、意識領域に浮かび上がってくると考えました。
しかし、そのままの形で意識領域へ浮かび上がってきてしまうと自我はダメージを受けてしまい、日常生活に影響が出てきてしまうので、そのコンプレックスは検閲され、本人に受け入れやすい形に加工されて、普段、わたし達が見る夢となるとしました。
そしてフロイトは、「夢は願望を充足するために存在する」としました。

■ ユング博士による夢解釈

しかし、ユング博士はフロイトが考えるような、「無意識を抑圧されたコンプレックスのゴミ箱のようなもの」 とする考えにはとどまらず、それを認めたうえで、無意識にはもっと肯定的な働きもあるはずだとし、夢にはもっと明るい未来を暗示する部分もあると考えました。
そして、ユング博士は世界中の神話や昔話、おとぎ話などを調べると、そこには人が普段みる夢や、患者の幻覚などとの共通点があることを見い出し、幾つかの基本的なパターンがあることに気が付きました。
それは人種や時代に関係なく、人類普遍の行動パターンで、その、物語を構築する表象可能性として『元型』という仮説概念を考えました。
元型は全人類共通の無意識、集合無意識を構成し、夢はこの元型の働きによるところが大きいとしました。
そのことから、ユング博士による分析心理学では、夢を分析するときには、それと関係がありそうな、おとぎ話や昔話をできるだけ多く集めて解釈し、象徴的意味合いを出来るだけ広く探っていくという特徴があります。
そして、フロイトが「夢を願望充足のためにある」としたのに対し、ユングは、「無意識には日常生活において偏ってしまった意識の状態を補う働きがある」ということを主張しました。
ユング博士は無意識による補償作用があるとし、夢の大きな目的となっているとしました。
このHP、夢と解釈のサイトでは、ユング博士の説をもとに夢を解釈していきます。


フロイトとユングの心の図