夢判断23「高速道路での事故」p2

  
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高速道路での事故p2



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coco様
24才 女性 会社員

タイトル/「高速道路での事故」




鈴木めいや

ご回答いただきまして、ありがとうございました。

【 夢判断 】
仕事場での適応上、かたくなな意識の側面を和らげようとする働きがモチーフ(この夢を形作った動機)となった夢


まずこの夢は場面の提示、つまり、以下のシーンからはじまります。

「私は、顔見知りではない人達と車に乗っていました。おそらく私を入れて4名だったと思います。夢の中では、その人達とは知り合いの様でした。その方達は、人型ではあるのですが漫画のキャラクターの様な外観をしていました。
しかし、顔や姿などはあまり覚えておらず、人が他にも乗っているなぁ・・という感覚です。私は、運転していたか助手席かどちらかに乗っていたと思いますが、あまり覚えていません。」

夢の中の自動車は、一般的に、前進しようとする男性的な心のエネルギーをあらわす場合があります。
coco様の場合、「割と車は運転する」とのことですので、夢の中の自動車は、ある程度自分の意志でコントロール可能な男性的な心的エネルギーを象徴しており、運転ができない方の夢に出てくる自動車のように、何かに依存しているという意味合いや、無意識の未知なる太古的なエネルギーという意味合いは弱く、それは自分の力でリアルに人生を前進しようとしているときの心の状況について語られているものと思われます。また、車を思い浮かべたときに、

「自分で歩かずに色々なところへ行ける便利な物だ」

と連想なさっておりますので、夢の中のこの場面は、便利なもの(融通の利くような心境)によって、積極的な姿勢が基本的な前提となっているように感じますが、自分が運転しているかどうかはハッキリしていないようですし、目的地や同乗者が誰なのかということもハッキリしていないようです。
全体的に漠然としていているこのような状況は、緊張感という張り詰めた糸が途切れる寸前のときの心境について語られているのかも知れません。

ですが、自動車に乗っている人物が自分を入れて、おそらく4人らしいということは分かっています。
分析心理学では、4という数字は、調和や完成、あるいは4や4の倍数は、バランスの取れた心の全体性などを意味します。
例えば、昔から季節は四季と決まっていますし、方角も東西南北と4方向です。カレンダーも、12月(つまり、4の倍数)までで一つの区切りとされていますし、時計の針も12で一つの区切りとなります。
世界中のおとぎ噺や、宗教の中でも、4、あるいは4の倍数というテーマをよく見かけますし、個人の夢の中にも、不思議と、4、あるいは4の倍数という数字はよく見かけることがあります。
なぜ、世界中のあらゆるものは、4、あるいは4の倍数という数字がこんなにも基本的な役割を持つようになったのでしょうか?
その疑問を、分析心理学では、「人間の基本的な心の働きは、

4つの心理機能から成り立っているからだ」と考えます。
この説を足元にノラ猫が歩み寄ってきたときの心の働きに置きかえてみると、4つの基本的な心の働きについて考えることができます。

coco様の場合、
B.) この猫、どこから来たんだろう? この先、どうやって生きていくのかな?
という直感的な意識が、一番初めに働くとのことですので、もしこれが正しいとすると(もし間違えていたら申し訳ありませんが)、coco様は、直感が主機能ということになり、直感的な働きを主体にして、日常生活を過ごされているタイプの方ということになります。
ここでいう直感という言葉は、一般的に使われているように、「その場の思いつき」や、「ひらめき」という意味だけを指して言っているのではなく、それを含めて、全体を総合的に捉えて、目に見える以上の何かを感じ取ろうとするような心の働きのことを言います。

そして、この考えを夢の中の同乗者に当てはめてみますと、自分以外の3人は、それぞれ、感情機能、思考機能、感覚機能、(あるいは、その3つのような性格の側面)が人格化された心像として考えることができます。

ですが、この場面では、張り詰めていた不安感や緊張感の糸が張り裂ける寸前のような状況について語られているためか、自分の心の全体性(車内)に注意をむけるようなエネルギーは弱くなっているようです。
そのため、自動車の中(その前進しようとする男性的なエネルギーの中には、こころの全体性・4つの性格の側面がある)の様々な事柄は、ひどく漠然としていています。
自分(主機能、おそらく直感)以外の人物がリアリティを持たずに、マンガのキャラクターとして表現されており、目的地はおろか、自分が運転しているかどうかさえもハッキリとはしていません。
これは、交通事故の一歩手前という極限的な状況のなかでは、「自分の内的なことに注意を向けている場合ではない」ということだと思います。
そして、ついに緊張の糸が途切れてしまったかのように、

「一瞬目の前が真っ暗になり、明るくなったとたんに、前方を走っていたトラックにぶつかりました。」

となります。
また、

「自動車の中にいた4人は、それぞれが、ご本人が持っている何らかの性格の側面をあらわしている可能性があります」についてですが、同乗していた人達は、最近読んでいる某少年漫画になんとなく出てきそうな、カラフルで(ピエロのように)個性的な姿だったような気がします。
楽観的なイメージです。
その漫画に対しては「楽しい。明るい。感動する。」などのプラスのイメージを持っています。
私は(例えば失恋したときのような)絶望感や痛み、孤独感、不安、悲しみなどのマイナスの感情を感じると、その感情を見て見ぬふりをするクセがあるようです。気分に任せてどっぷり落ち込むという方法が分からない(落ち込むのが怖い)ので、確かに存在しているマイナスの感情を無理やりなかったことにしてしまいます。
結果、から元気のようになる気がします。(無理やり明るく振舞っている。)こういった状態を表しているのでしょうか。

この解釈には、なるほどと思わせるものがありますね。
coco様には、キラリと光るような夢解釈のセンスのようなものを感じさせられます。
そして、このような解釈に至るために大きく貢献した心の働きが、「直感機能」という心の側面である、ということができます。

もし、その側面が日常生活において、主体となっていると仮定すると、coco様は、直感機能がよりよく分化・発達しているタイプの方ということになります。

この考えが正しいと仮定して考えると、無意識が、交通事故の夢を産出していることも少し納得できるような気がいたします。
というのは、一般的に、社会に適応していくためには、直感とは正反対に位置する感覚機能を分化・発達させる必要があるからです。
ここでは、coco様の具体的な仕事内容の情報はありませんので、ハッキリしたことは言えませんが、一般的に、会社の中で、決まりに従い仕事をこなしていくためには、直感機能はかえってジャマに作用する場合があります。
例えば、男性の場合は、生まれつき、先天的に極端に直感の一機能に片寄っているタイプの人は、どんな仕事をしても長続きしないような、いわゆる「ダメ男くん」のような状態に陥りやすく、彼は作家や芸術方面などの仕事で、一発大成功するかどうか、という人生になりやすいところがあります。

「転職したばかりでいまいち職場の雰囲気に馴染めず、緊張や不安がある状態で働いていたと思います。
又、転職先の仕事内容がもともと希望していた内容とは少し違いまして、合格を頂いた際にもう少しじっくり就職活動をしようか悩みましたが〜」

とのことですが(もし間違えていたら申し訳ありませんが)、このことは、coco様は、「直感が優位に働くタイプ」ということと関係があるのかも知れないと思いました。
そのような状況は、この夢の解釈にも関係してくるように思います。
具体的で細かい作業を正確に行うには、ユングのタイプ論でいう感覚機能を必要とし、直感が機能しているときというのは、意識の活動から感覚を打ち消してしまっているときであると言うことができます。
もし、coco様は、先天的に直感的なタイプの方であるにもかかわらず、感覚的な仕事をなさっていると仮定すると、自分には合わないと感じるのは無理もないことであって、もしここでのその説が間違えていたとしても、

「やはり思っていたより大変で、今も少し後悔しています。自分には合っていないと感じます。」

とのことですので、無意識は常に、そんな意識の働きを補償する必要が出てきます。

夢は生理的な現象であって、人間が持っているあらゆる生理的な働きには目的があります。
例えば、上がりすぎた体温を下げるという目的で発汗という生理的な働きが生じるようにです。夢も生理的な現象であるからには、なにか目的があるはずです。
分析心理学では、
「夢は、日常で何らかの状態に片寄ってしまった意識の側面や、欠けてしまった何らかの意識の側面を補うために生じる」
と考えますが、今回は、そのような不安感や緊張感によって統合されているかたくなな意識の側面を和らげるために、その側面の破壊、つまり、交通事故のイメージが産出されたものと考えることができます。
すると、そんな状況のなかで、犠牲を被った側面が表現されています。

「私達の車は軽い衝撃しか受けず無傷だったのですが〜」

という場面は、この交通事故(つまり、緊張感で張り詰めていた側面の破壊)によって被った被害は、内的・精神的なもの(自動車の中)にあるのではなく、外的・社会的な側面にあるぞ、という無意識内の思考が比喩的に表現されているように感じられます。
比喩表現というのは、
「交通事故を起こしてしまうと、自分自身が持っている、作業着を来た男性のような性格の側面は死の危険にさらされてしまうぞ!」
という喩えのことです。
彼は、夢の中で〜

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