心理学事典「ペルソナ」

  
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心理学事典「ペルソナ」


夢に衣服類や名刺、看板や顔や皮膚などがあらわれた場合、ペルソナの元型がモチーフ(その心像を生み出した動機)となっていると考えられます。

ペルソナという言葉は、もともと古典劇の世界で役者が使った仮面のことです。ユング博士は、この言葉を、外的・社会的にみせる表向きの態度、という意味で使っています。

外的な現実(あるいは社会)に適応するために、わたし達はそれに合った仮面(ペルソナ)を身に付けなければなりません。例えば、警察官は警察官らしい服装を着て警察官らしく振舞い、教師は教師らしく、医者は医者らしく、父親は父親らしい表向きの傾向を持っています。

ユングの分析心理学では、そのような心の働きかけをペルソナと呼び、このペルソナをうまく身に付けることによって、本当の自分を守り、表向きに円滑に適応することができるようになります。

これは、一種の妥協でもあり、もしペルソナと思われる像が夢にあらわれた場合、それは本当の内面性が外的な役割に対して妥協していることをあらわしている場合があり、あるいはその二つのあいだに生じる葛藤をあらわしているか、または、「うまくペルソナを身に付けることができていない」ということを意味する場合があります。

そして、アニマ・アニムスは、"内的な"心の元型的な心像であるのに対し、ペルソナは、"外的な"現実に適応するための元型ですので、夢の中ではこの2つの元型的な心像は、相補的に働く場合も珍しくありません。

また、ペルソナは人格化されることはほとんどなく、夢の中では衣服類や名刺などによってあらわされる場合がほとんどです。



睡眠時の「夢」のメカニズム