心理学事典「象徴symbol」

  
夢と解釈のサイトlogo

HOME > 夢と心理学 > 心理学辞典 > 象徴


心理学事典「象徴symbol」


象徴というという単語をとある辞書で調べると、
「目には見えない抽象的なことなどを、目に見える具体的な事例で表現すること」
とあります。
つまり、わたし達の身近には、具体的に見えるものと、目には見えないものがあります。
例えば愛情や本能というものは目には見えませんが、世の中の多くの人が、そのようなものがることを認めています。

では、わたし達の人類の歴史において、そのような目に見えないものは、どのように表現してきたのでしょうか?
例えば「象徴天皇制」という言葉があります。
わたし達は、国民の全体を視覚で捉えることは出来ません。では、日本とか国民の全体という簡単には見えないものを、目に見える具体的な何かに喩えるにはどうしたら良いのだろうか?となったときに、それは天皇の姿で表現することができます。
天皇は、政治的なリーダーとは言えませんが、私たち国民の代表であり、国民全体という目に見えないものを象徴しているとも言えるでしょう。

また、例えば「愛情の象徴」について考えると、キリスト教の信者にとっては、十字架や、あるいは十字架にかけられたイエス様は「愛や救い」の象徴だとされています。
そのため信者は、寂しさに押しつぶされそうになった時に、十字架を手に持っていると愛情を感じ取ることができるので、その寂しさが癒されるのだと言います。
キリスト教にとっての十字架は、愛情という目に見えないものを象徴していると言えるでしょう。

また、例えば「本能の象徴」について考えると、精神分析の生みの親とも言えるフロイト先生は、本能は暴れ馬のようなものだと言っています。
もしも昨日の夜、夢のなかに馬が登場した場合は、その夢の文脈によっては、その馬は本能という目に見えない心の働きを象徴していると解釈されるかもしれません。

ですが象徴的な表現というものは、実はわたし達の身近にも、たくさんあふれていると言えます。
例えば「あの子はとても明るくていい子だね」と言った場合、「明るくて」とは、なにも豆電球の明かりのことではなく、その人の性格のことを言っているということは言うまでもありません。

この場合「明るくて」という言葉は、目に見えない性格の側面を明かりに喩えて表現しているので、それは比喩表現でもありますが、象徴的な表現でもあると言えます。
このような日常会話での象徴的な表現は、日本人だけが使うのではなく、すべての文化圏の、すべての外国語にもたくさんあふれています。

ユングによる象徴の定義は
「選ばれた表現が、あまり知られていない事実を可能な限り描写する(あるいは定式化する)、という事実を前提とする」

つまり象徴とは
「いまのところ、これ以上の良い表現が他にはない」
という直感的な表現のことです。

象徴(シンボル)辞典はこちら

象徴一覧ページはこちらシンボル一覧の人物


睡眠時の「夢」のメカニズム