夢判断24「城に潜入」p2

  
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城に潜入



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ミルトン様

31才 男性 会社員 既婚 二人暮らし
タイトル/「城に潜入」

このことは、この心的複合体(お城)とご本人(自我)との関係性を物語っているように感じられます。

ですが、富や権威といった肯定的な側面の裏側には、否定的で厄介な側面もあり、夢の中で、「将軍は悪政をはたらいているらしい」ということを悟ります。
このお城という心像で表現されている心の側面は、おそらくご本人の根深い心の層からくる高貴な魂のイメージとも結びついていて、プライド(誇り)とも関係があり、心の重要な位置を占めているようなのです。
そのため、そこにはいくら否定的な要素があったとしても、それを簡単に切り捨てることはできず、無視することも軽視することもできません。
なので何らかの形で付き合っていく方法を見つけなければなりませんが、もしも何らかのきっかけでこの否定的な側面のみが前面に出てしまうようなことがあっては、私生活において、人間関係を円滑に保つことは難しくなってしまうかも知れません。
そうなってしまわないようにするために、お城として表現されている心の領域と向き合う必要があったのではないかと思われます。

そこにある何らかの問題は、夜中お城のなかに潜入し(無意識下の危険な心的複合体のなかに侵入し)、何かを手に入れて暴くことで解決に向かうようです。

この夢は、そのような否定的な心の側面と、今後どのように接していけばよいか?という無意識の状況が表現された夢であると考えることができます。

【 夢判断 】
主体性を脅かすような内的な側面に対し、どのようなペルソナで接すればよいのか? という働きがモチーフとなった夢


鈴木めいや

先にそこから侵入していった忍びの人はスライムに襲われて飲み込まれてしまいました。
ここでのスライムはドラクエのスライムではなく、アメーバみたいなドロドロした不定形の物体が飛びかかってくるものでした。
手をこまねいていると犬やら猫やらが出入りしていたのですが、犬、猫はスライムには襲われていませんでした。
人間だけを襲うようでした。

この場面では、お城(無意識下の心的複合体)の危険性が如実に表現されています。
ここに出てくる「不定形の物体」の、飲み込むという攻撃方法は、酷く劣等な女性的な情動のやり方であり、その否定的な女性的な情動とは、どうやら、「アメーバみたいなドロドロした不定形の物体・スライム」という像でしか表現できないような要素のようです。
わたし達、人間が持っているドロドロとした情動や感情というものは、液体のようにコロコロとその形や色合いが変化しやすく、決まった特定の形というものがないので、そのような像として表現されたものと思われます。
また、お城は基本的に、男性原理で機能している建物ですので、男性的な要素がよく発達しているこの心の側面においては、女性的な要素は酷く未発達で、人格化した姿さえ、この夢には出てくることはありません。
この夢には、女性の姿は登場せず、女性的な要素はこのスライムしか出てこないのです。
そして、その下等で女性的な情動は、忍びの人(ご本人が持っている無意識下の何らかの性格の要素)を飲み込んでしまいます。

人格化される以前の太古的な要素(スライム)に対しては、自ら人間ではない本能的・生得的な心の状態となって対応するしかないようです。
そのため、夢の中の自我(ご本人)は、猫という本能的・生得的な状態に変化して侵入を試みます。
すると、スライムは襲ってきません。
猫は、女性的な本能的要素であり、スライムも、劣等な女性的な情動であると思われます。つまり猫とスライムは似たような性格の持ち主で、仲間に近いこの2つの要素は、反発し合うことも、争い合うこともないようです。

そうして、うまくお城に侵入することに成功します。そのとき、猫のように本能的な性格の、主観的な様子を、

猫になると身体が小さくなって目線が低くなって視界がセピア色になって、狭いところに入ったりジャンプしたり本当に猫になった感覚がリアルでした。

というように肌で体験することとなります。
さらに奥に進むと、近代的な軍事施設になっています。
ここではもう、「過去に栄えていた」というニュアンスは弱くなっています。
そこからは、「シェパードみたいな犬」という男性的な本能的要素に変身して進みます。もうここには、スライム(劣等な女性的情動)の姿はなくなっているので、男性的な心の領域に対しての策として、犬となったものと思われます。

行き着いたさきは服が散乱している部屋で現代のTシャツとかパーカーとかカジュアルな服と軍の制服みたいな服が散らかっていて、動物でいるよりは人間に戻ってここの服を着て奥へ進もうと思って私は人間に戻り、中でも肩章や勲章のついた地位の高そうな制服をきて服の散らかっている部屋から出て、そこの兵士に出くわしたが怪しまれなかった記憶もありました。

夢の中に出てくる衣服類は、一般的にペルソナと言い、これは難しく言うと、「個における外界への構えや姿勢」のことであり、個の期待や要請と、周囲、社会、集合意識からの期待や要請との折り合いとして成立しています。
もう少し噛み砕いて言うと、人は誰でも、社会に適応するためには、上司や後輩に対しての表向きの仮面(ペルソナ)を被っているようなもので、もしこの要素が弱いと、裸の状態で周囲と接しているようなものなので、それでは自分らしさを持つことはできても、傷つきやすく、脅かされやすく、振り回されやすく、圧倒されやすいような状況に陥ります。
逆にこの要素が強すぎると、自分の弱さは守ることができても、「自分らしさ」はその背後に隠れてしまい、人間味が薄くなってしまいます。

一般的に、ペルソナという言葉は、外的な適応という意味合いで使われますが、内的な適応として必要なペルソナもあります。現実での対人関係で必要なペルソナを身に付けるのは、内的なペルソナの問題も生じてくるのですが、この夢は、内的なものに対してのそれを得たことをあらわした夢と言えそうです。
また、

職場での対人関係は何事もなくです。夫婦関係はいいときもあれば複雑なこともあり。

とお答えいただいており、職場での対人関係は円滑の様子なので、もしかしたらこの夢は、そのような状態にするための内的な努力がモチーフ(動機)となっているのかも知れませんね。

最後に、この夢の文脈を整理すると、
1) 複雑な感情や観念の複合体(お城)の中心人物と向き合う。その心的複合体は、肯定的な側面と否定的な側面がある。
〔夢の中の、将軍に謁見している場面〕
すると↓
2) 無意識下の、その心的複合体の否定的側面を暴き、ペルソナの問題を解決するために何かを取りに行く。
〔夢の中の、夜中お城に潜入を試みる場面〕
すると↓
3) 男性原理の中の劣等な女性的情動が生じる。
〔夢の中の、忍びの人がスライムに飲み込まれている場面〕
すると↓
4) 本能的な状態となって否定的な心的複合体のなかを探索し、ペルソナを手に入れる。
〔夢の中の、衣服類でちらかった部屋にたどり着き、肩章や勲章のついた地位の高そうな制服をきる場面〕
すると↓
5) お城で象徴されている心の側面に、うまく対応できるようになる。おそらくそれは、私生活での対人関係での適応にも関係している。

という心理的なプロセスを汲み取ることができるかと思います。
それは、

中でも肩章や勲章のついた地位の高そうな制服をきて服の散らかっている部屋から出て、そこの兵士に出くわしたが怪しまれなかった記憶もありました。

という場面で表現されているように、心のある側面の適応がうまくいったことを示しているように感じられます。そのペルソナという要素が、なによりもの宝物といえるのかも知れませんね。
いかがでしょうか?

ミルトン様

独身時代というより遙か昔の中高生の時代の私は見栄を張るというには大げさであるが、周囲からいいあんばいでさりげなくよく見られたい、目立つことは苦手であったし目立ちたくはないけど少し違うなとさりげなくよくみられたいという側面はありました。

「暴れん坊将軍」では殿様は身分を隠して下町の火消しの家に居候して庶民の暮らしに溶けこんでいました。お城と将軍の解説がなかなか的を得ていてお城がここまで旧い時代のものであったとはおどろきでした。
思い返せばこの時代の自分は女性的な要素については発達していなかった、軽視していたとも思えるところでもありました。
そのころはとくに人間関係、人付き合いは苦手で煩わしくてだめでしたが大人になっていくにしたがい、今でも苦手ではあるがだんだん適応できるようになっている自分がいたりします。

過去の自分を思いかえすものでした。
めいやさんも夢から過去の私を垣間見ることができたのはすごいです。
ありがとうございました。

鈴木めいや

今回のメールのやり取りにより、この夢とそのような心の状況が客観的に結びついたことは、何かの大きな意味を感じさせられますね。
わたし達の意識が、自分が置かれている状況や気持ちを常に表現したがっているように、無意識も何らかの状況を常に表現しようとしているものです。
どうやら夢解釈を通し、無意識は意識にその状況をそれなりに伝えることに成功したと言えそうです。
また何かありましたら、お気軽にメールをいただければと思っております。
何卒、宜しくお願い致します。

2011年01月17 日 〜 2011年01月31日