夢判断18「メアリーの執刀医」p2

  
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メアリーの執刀医



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みよし様
36歳 女性 既婚

タイトル/「メアリーの執刀医」

みよし様

現実にも、防寒具兼アクセサリーとして時々使うのですが、そういえば最近はあまりしていないなあという感じです。
いろいろな巻き方があるようで、自分でもいろいろ試して楽しむこともありますが、うまく出来ないなあと思うこともよくあります。結構格好よくつけこなすのは難しいなと自分でも思いますし、他人がしているのを見ても思います。

以上なのですが、どうか宜しくお願いいたします。

鈴木めいや

質問の回答、ありがとうございました。
送って頂いた「メアリーの執刀医」の夢を解釈させて頂きましたので、参考にして頂ければ幸いです。

【 夢判断 】
「学生時代に置き忘れてきた心の要素(女性原理)を治療し、 なんとかして再生させようとしている」という心の描写が動機 となっている夢

まずこの夢の初めの場面では、

「何かの用事を済ませる(おそらくアルバイト)」

という場面があります。
この場面を、「一階で外来診療をしていた」としますと、一階は地面に一番近くにあるので、そこは地に足が付いているような現実的な状態のときの心の領域と考えることができます。
また、現実に行なっていた外来診療をしていますので、やはりそこは現実的な領域なのではないかと思います。

そして次の場面では、現実的な地面からは離れ、3階という少し精神性の高い領域に上がってきます。
夢の中の数字の「3」は、創造性というニュアンスを持つことがあり、2つの側面が合わさった何かを越えた第3の視点を持ち、男性の数とも言われています。
この夢の中の3階の部屋が、そのようなニュアンスを持つものかどうかは分かりませんが、もし持つとすると、どちらかというと男性原理で生きてこられたと思われるあなたにとって、自分らしさのある心の領域が3階、ということかも知れませんね。

そのような領域に、あなたは太陽が昇る方角である東(外向性や出発、また再生や統合と関係する場合もある)にある出入り口から入ってきます。
そしてその部屋には、北と南の方角に窓があります。
一般的に、夢の中の北は、心の内側、心の深い無意識の方向という意味合いがあり、南は、太陽が一番高くなり、意識性が活発になる方角という意味合いがあります。そしてその部屋は、その全く違う要素の二つの側面から陽の光が入り、比較的明るい部屋となっています。

光が差し込むその窓の位置を考えると、この部屋はおそらく、ご本人の、「無意識の内容と意識の内容が一番接触しやすい心の領域」と考えることも出来るでしょう。
それは、北という無意識と、南という意識の両方が活発になっている状態にある部屋、というニュアンスを匂わせます。

そしてそこは、学生の頃の教室に似ているようでもあります。

事実、広く一般的に中高生という年齢は、思春期という心が不安定な形でエネルギーが活発になりやすい時期と言えます。その時期は基本的に、無意識的な衝動や元型的なエネルギーが活発になり、それと同時に明瞭な意識をも合わせ持つという特殊な時期なのです。

おそらくこのことは、夢の中で、窓が北と南にあったことと関係があると思います。
夢の中のその部屋は、まるでその時代に、“置いてきぼりにしてきたような心の領域”をあらわしていて、無意識はそのような要素を、今、再び活性化させようとしているかのようです。
質問に、

「その頃は自分のやりたいことを模索しているような生徒だった」

とお答えいただきましたが、それはまさに、自分自身の胸の内側に耳を傾けている状態(つまり、無意識の方向に注意を払っている状態)でもあり、それと同時に、現実的で外的な意識が活発になっている状態でもあると言えるかも知れません。
それが、夢の中で光が差し込む窓が、北と南にあった理由ではないかと感じられます。

すると、そのような心の領域において、ある手術が行なわれています。
その憐れな患者は、南という、“より意識的な方向”に、集められた机の上にいます。つまり、その部屋の中では、より意識的な方向で手術が行なわれているのですが、患者の頭(知性)は西向きになっているので、その患者の知性は、より無意識的な方向に向いてしまっているかのような状態にあるようです。

そして、そこには女性ばかりの人だかりができています。
もし間違っていたら大変失礼となってしまい申し訳ありませんが、おそらくあなたは、その学生時代の後の人生は、男性原理によって仕事の環境に適応してきたようなところがおありではないかと、わたしは考えています。
そしておそらく、ようやく最近になってきて、女性性(女性的なすべての要素や傾向)、あるいは女性原理(女性的な心の働きやその原理)に、注意を向けるようになられたのではないかと考えています。

そのような最近の傾向を考えると、夢の中のその人だかりは、現実に、あなたが最近になって、自分自身のそのような要素によく注意を払うようになってきたということに関係があるのではないかと思いました。

というのは、この患者はおそらく、「あなたが学生の頃に置いてきぼりにしてきた理想的な女性像」であると考えられ、その理想的な女性像は、あなた自身が持っている様々な心の要素の注目の的となっているからです。

ですが、最近のそのような心の傾向はたくさんの女性として具像化され、夢の中ではかえってジャマになり、患者がよく見えないほどにまでなっています。
そこであなた(夢の中の自我)は患者の頭側に回りこみ、執刀医に声をかけて覗き込みます。すると、その患者の内臓は取り去られ、体幹は空いていて、驚きます。

これはおそらく、ご本人が理想としている女性原理は、いままでその機能を失っているような状態にある、という比ゆ的な表現ではないかと思われます。

というのは、夢の中の内臓は、その要素の様々な心の諸機能をあらわすことがあります。
つまり、その患者には、何らかのエネルギーやコンプレックスなどの諸要素を取り入れて、それを消化吸収して自分のものとする機能をあらわす“胃腸”が無く、その他の様々な心の機能(臓器)を失っていて、体幹はがらんとしていて何も無いのです。

ですが、その女性原理(患者)は生きています。
その憐れな患者は、血管系のみ綺麗に残してあり、脈打っているようです。
血管は、血という生命力を脈打つ活き活きとした生命のエネルギーのようなものを象徴的にあらわしているのでしょう。

それは、日常の会話などで使う「血」も同じような意味を持っていて、例えば、「私は悪い男に騙されやすい血筋を受けついでいるの」などと言うときは、今は亡きご先祖様は、かつては確かに「生きていた」、という実感にもつながり、血液型の性格判断が人気の理由も、血というその人の個人的な生命力の源のようなものを匂わせるからではないかと思います。

血はその人の特有の先天的な個性や性格や、その人らしさ、あるいは血生臭いというように、人間臭さのようなものさえあらわすことがあります。

そして、夢の中のその患者は、血管系はハッキリと残され、生命力だけはハッキリと残されているのですが、内蔵という心の諸機能は完全に失っていて、さらに首から上が無いので、知性やペルソナさえ存在しません。
あるのはただ、本能的な活き活きとした生命力だけです。

また、その患者・メアリーは、

「メアリーのスナップ写真ですが、上体を前に傾けて椅子に腰掛け、肘をついて手は顎の下で、小首を傾げるようにして微笑んでいました。柔和な笑顔だった印象があります。」

とのことですので、それは西洋人が持つ外向性や社交性に優れていて、柔らかい笑顔を持つあなたから見て理想的な女性原理を象徴的にあらわしているのではないかと考えられます。

そして、がんに侵され、血管系のみとなった哀れな理想的女性像・メアリーを治そうしている執刀医は、現実には高校卒業後、何をしているか分からない高校時代の同級生です。

これはあなたが高校時代から置いてきぼりにしてきた、ある影の側面をあらわしており、おそらくあなたとは正反対の性格を持つ、心の深い領域に布置する何らかの要素なのでしょう。
それは、「キャンキャンうるさく、あまり好きではない」とのことですので、あなた自身が持っている、活発ではあるけど無意識下に影を潜めている要素です。

では、なぜ彼女がメアリーの執刀医として選ばれたのでしょう?
それはおそらく、その同級生という心像であらわされた影のコンプレックス(様々な感情群の複合体)は、メアリーという心像であらわされた女性原理と、ちょうど同じくらいの心の“深さ”に布置されていて、そのふたつは全く違った内容を持っていますが、高校時代から置いてきぼりにしてきた要素、という意味では、そのふたつはだいたい同じくらいの位置に布置されていたのではないかと思われます。
なので、その同級生であらわされている心的要素は、自分の近くにいたその患者のことをよく知っていて、そのためか、メアリーを治療できるのは彼女だけのようです。

そして、夢の中で彼女は、メアリーという女性原理の諸部位を繋ぎ合わせ、治すつもりでいるようです。
そのことに対し、夢の中のあなたは、“現実での手術”という水準で見ているので、「そんなこと出来るわけない」と思います。
ですが、外的な事実とわたし達の心の中は次元が違います。なので、自分自身の心の状態を象徴で見せている“それ”を、外的事実と同じような尺度で見ることは出来ません。

そしてわたしは、その執刀医が考えているように、内蔵(心の諸機能)や頭(知性)を失った憐れな患者・理想的なその女性原理を治療し、円滑に機能させるまでに回復させることは可能だと思います。

その後、あなたは廊下の踊り場に出て、その手術に対して一度距離を起き、少し、“客観的な状態”となります。
するとそこの掲示板には、ちょうどこの手術が行われている時間帯に、彼女を講師として「スカーフの巻き方講座」なるものが行われる予定であることを知ります。

スカーフの巻き方講座が、なぜ、メアリーの手術に変更になったのでしょう?
このことは、わたしにはある程度明確であるように思います。つまり、スカーフの巻き方を覚えて、周囲の人にキレイに見せる技術を習得するよりも前に、もっと本質的な領域において女性原理を治療しなければならない、ということではないかと感じられるからです。
それは、表面的に着飾って、より女性的な要素をアピールするよりも前に、もっと根本的な女性原理・メアリーを治療する必要がある、ということなのでしょう。

すると、上司の医師であるらしい男性たちがきて〜

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