夢判断29「父に守られる」p4

  
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父に守られる



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カーテン 様
30歳 女性 一人暮らし

タイトル/「父に守られる」

鈴木めいや

そしてこのお話からも分かるように、直感はキジのように高いところから全体を見通し、遠くまで視野が広がっているような働きのことを言います。
つまり、直感が働いているときというのは、森の全体、街の全体はよく見えていても、樹の一本一本、家の一つ一つまではあまり見えていないような状態にあると言えます。

今回送って頂いた夢は、あなたは屋根という地面(現実)から離れた屋根の上にいますので、どちらかというと、やはり遠くまで全体を見通せる高い位置・直感的な状況に置かれていると言えそうです。

ですが、わたし達は誰でも、ありのままの現実と向き合うためには、多かれ少なかれ感覚を通さなくてはなりません。この考えで言ってしまうと、夢の中の「狼がいる側面」ということになります。
なのでこの夢は、力を抜いて自分らしい状態になることで、屋根の中心(本来の自分らしい状態である主機能・直感)に戻った、というような状況を意味しているとも思えてきます。
これは結局、今回送って頂いたご本人の解釈とあまり変わらないかも知れませんね。

また、もしタイプの問診チェックの結果が正しいと仮定すると、夢の中の地面は劣等機能という恐ろしい側面だからこそ、狼という野蛮な心像があらわれたのかも知れません。

「主機能というのは変わることがあるのでしょうか?」

主機能は基本的には、生涯、変わることは滅多にないと考えたほうが妥当です。
生まれつき心の優しい典型的な感情タイプの子どもは、将来、福祉関係などの人のためになるような仕事を選びがちですし、感覚タイプの子どももそれに見合った道を、直感タイプの子どももそちらの道に進みがちです。

おそらく、カーテン様は先天的な主機能がハッキリしているタイプではないと思われますが、先天的な優越機能(主機能)があまりにもハッキリとしたタイプの人の場合、それと同じくらい劣等機能もハッキリしていることが多いのです。
その場合、劣等機能とは抜き差しならない状況をもたらすものです。

そして、そんな主機能はどこか「利き手」と似ているところがあります。生まれつき、右利きの人は教育や環境に関係なく、基本的には一生右利きのまま変わることはありません。
もし、生まれつき典型的に感情が豊かなタイプであるにも関わらず、知的な教育ばかりを強いられてしまったら、ストレスや不満などが溜まりやすい状況が生じてしまい、必ずと言って良いほど何らかの大きな問題が生じてくるのが普通です。

もし後天的な理由で主機能を歪めさせてしまっている人(主機能を変えられてしまった人)がいるなら、その人は本来の自分らしい生き方が出来ていない可愛そうな人であり、歪んだ個性を身につけることとなります。そしてそれには功罪があり、それはとても好ましい状態ということは出来ません。

例えば、私事で申し訳ありませんが、私は生まれつき典型的な左利きですが、幼い頃、一時期祖父に右利きに治すように言われたことがあります。そのときは右手で箸を持ってご飯を食べなければならず、このとき感じたストレスは、主機能を歪めてしまおうとしているときのストレスとよく似ており、「自分らしさ」を失っているときと言うことが出来ます。

よっぽど大きな理由でもない限り、精神衛生上、主機能は歪めない(変えない)ほうが良いのです。

「わたしは以前は感覚が主機能で現在は直感が強いと感じているのですが、これは長年抑圧した劣性機能の直感が噴出し主だっているのか、元々主機能は直感だったのを、抑圧し感覚を長く使っていたのか、或いは主機能が感覚から直感に移行したのか…。」

以上にあげた理由から、「主機能が感覚から直感に移行した」とは考えにくいことです。

正直申し上げますと、今までカーテン様から送って下さった文章だけでは、先天的な主機能を断定することは難しいのですが、私が知る限りでは、明らかに生まれつき感覚タイプの女性が、直感的なもの(占いや心霊、パワースポットなど目に見えないものを取り扱っているもの)に強い興味を持ち、そのことばかり考えている感覚タイプの人を見かけることはあります。

その場合、本当は感覚的な人であるにも関わらず、心理問診チェックでは直感の項目ばかり選んでしまい、感覚タイプであるという結果が出てしまう可能性も、全くありえいとは言い切れないのです。
なのでカーテン様の言う

「長年抑圧した劣性機能の直感が噴出し主だっているのか」

という可能性を捨てきることは出来ません。
(細かいところを言ってしまうと、劣等機能は単に幼い頃から発達していない未分化な働きというだけのものですので、抑圧という言い方は不適切なのですが…)
私の印象ですと、カーテン様の言う

「元々主機能は直感だったのを、抑圧し感覚を長く使っていた」

というお考えが、おそらく最も正しいのだろうと思います。

あるいは、もしそうでなければ、「感情」が産まれ持った主機能であり、直感と感覚の2つの働きは補助的に働かせる傾向にあるのかも知れません。

これは難しい問題ですので、色々と可能性を上げていたら長文となってしまいましたが、最後にヒントを出してみます。

典型的な感覚タイプの人は、眼球運動が安定しており、見るべき対象から視点がはずれにくいという特徴があるのに対して、典型的な直感タイプの人は、眼球運動がブレやすく、視点がキョロキョロと動きがちで、見るべき対象をチラッとしか見ない傾向にあります。

また、具体的にいま流行っている女性アイドルの名前を挙げてしまうのであれば、篠田麻理子、渡辺麻友、板野友美、入山杏奈、後藤真希さんなどは感覚タイプと思われますし、大島優子、高橋みなみ、指原梨乃、秋元才加、新垣里沙さんなどは直感タイプの人であると考えることが出来ますので、その人達をユーチューブか何かで観察し、「どの人が自分のタイプに近いのか?」などと考えてみるのも面白いかも知れませんね。

以上、ご質問には一通り答えたつもりですが、いかがでしょうか?
お手すきのときに、ご返信の程、宜しくお願い申し上げます。

カーテン様

鈴木めいや様
わたしの我儘な要望で解釈を改めてして頂いて誠にありがとうございました。
鈴木様との夢の解釈のやり取りは内面世界を漂うようで普段満たしたいと思ってた部分が潤ったように感じました。ありがとうございます。
タイプ論への質問を主機能というものがどういうもので、とても大切なものであること、そしてそれは国によって現れ方が異なることなど、豊かな連想でわかりやすく教えて下さり一人では思い込みで解釈してたところを穏やかに客観視を促していただけたように思えます。
そして、自己解釈では出ることがない「元々は女性性が発達しやすい」や「主機能は感情」など抵抗を感じることほど、ふと「そうかもしれないな」と思うと力が抜けて楽になる感覚を覚えました。
最後に頂いたヒントですが、これは迷うところなのですが、絵を描いてる時や買い物をする時は集中してるのでブレがないのですが、人からたまにキョロキョロしていると言われます(笑)
それから追伸としては、夢解釈をして頂いた頃からまた夢を覚えているようになりました。
夢の世界の豊かさを少し覚えていることで乾きがちな日常がすこし水を含んだように思えます。
重ねましてありがとうございました。また気になる夢をみたらどうぞ宜しくお願いいたします。

鈴木めいや

カーテン様、
ご返信いただきましてありがとうございました。

「わたしのここ数年の課題は直感機能のマイナス作用に〜」

典型的な直感タイプであるが故に、普段は感覚が無意識的となっているので、社会性が薄かったり感覚的な意識の働きは短時間しか続かなかったりという傾向を持ち、そのため、何らかの問題を抱えている方というのは、数で言えば男性も女性もかなりの人数がいらっしゃると思うのですが、その中でも、カーテン様のように、タイプ論の観点から客観的に自分のその傾向を見つめている方というのは、本当に少ないのではないかと思います。
私は、その時点で一歩進んでいるのではないかと思っております。

「今回鈴木様に鑑定をお願いした大きな理由に、タイプ論からの切り口の解釈をとても興味深く読ませて頂いたことがあります〜」

という文章の下の箇所からも分かりますが、タイプ論の基本をこれほど理解した上で依頼して頂いたお客様は、いままでほとんどいなかったこともあり、少なからずの感動をも感じました。

「あの夢は力を抜く発想(直感)を得、それが功をそうするが、その続きはないことなど、閃きだけで終始し、なかなか展開していかない日常と似ているとも感じた」

と言う認知機能(直感/感覚)からの、カーテン様の夢解釈は、比喩表現という基本に基づいた全く妥当なものと感じられますね。

さて、今回は理論的かつ現実的な文章が多く、とても楽しい夢解釈となりました。
いつでもお待ちしておりますので、またのご来店を心よりお待ちしております。

2012年08月15日 〜 2012年8月27日

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